私にとっての活動の原点として
阪神・淡路大震災の前は、在神戸ボリビア総領事館に勤務しており、1990年の入管法一部改正により、来日が増加していた日系南米人のスペイン語相談で、駆け込み寺状態でした。そこで関西中南米協会の活動が始まりました。
大震災が起きて、たかとり救援基地のボランティアとして、外国人被災者の支援のために始まった救援ネットの設立メンバーとなり、救援ネットの初代の事務局・相談窓口コーディネーターを務めました。
そこから多言語のラジオ放送局FMわぃわぃ(当時はFMユーメン)を始めることになり初代の事務局を担いました。その延長線上で多言語センターFACILやワールドキッズコミュニティを立ち上げ、そこから関西ブラジル人コミュニティやひょうごラテンコミュニティが生まれました。
振り返ると8つ以上の団体名が出てきて、いったいどこで何をしてきたのか、わけがわからなくなります。アメーバのように変遷をする団体に、必要だと思って関わってきた結果なのです。その中で救援ネットは、私にとっての原点だということを、あらためて感じています。
誰も排除されない社会を目指して、情報発信・提供、多言語環境促進のソーシャルビジネスや医療通訳の制度づくり、外国ルーツの子どもたちの教育整備などの活動は、外国人が日本社会で抱えさせられる課題の相談窓口となる救援ネットの存在があってこそ、私たちが気づかされる日本社会の不具合であり、社会が成熟するために必要な視点なのだと思っています。その原点である活動を継続させることは、私たちにとって最優先されるべきです。多くの方の協力をお願いします。
吉富 志津代
一般社団法人ひょうごラテンコミュニティ 共同代表理事
NPO法人多言語センターFACIL 特別顧問
NPO法人たかとりコミュニティセンター常務理事
武庫川女子大学 心理・社会福祉学部 教授
特定非営利活動法人NGO神戸外国人救援ネット 運営委員
